溺愛中なんです。
「…っき…!ゆ…!」
「ゆ……ちゃ……!」
ん……誰か呼んでる?
ここ…ソファー?
私は、重いまぶたをそっと開けた。
「雪姫!!!」
すると誰かに抱きつかれた。
「雨宮…やめて!」
抱きつかれた相手は、雨宮。
その後ろには葉月ちゃん、
北山くん、滝川くん。
私は雨宮の胸を叩く。
しかし、そんな私とは裏腹に
「…よかった……よかった雪姫…!」
雨宮は私を強く抱きしめながら
安心している。
私…そういえば……
睡眠薬…飲まされたんだけ?
「…助けて、くれたの?」
「…うん。ついでに、殴っといた」
「そこまでしなくていいよ」
やっぱり雨宮には呆れたけど……
……感謝しなくちゃな。
「…ありがと」
「本当…何もないか? 」
「大丈夫だよ」
「…ついでに……俺に惚れたか?」
「惚れてません」
雨宮はぷいーってむくれた。
嫌い、なはずなの……
何だろう…この、感じ……。
ドキドキする…。
まるで、恋してるみたい。