13回目の好き
その時の三浦先生の横顔がとても悲しそうに見えた。
何で?…そう聞こうとした私の声は、出すことが出来ずにただ、三浦先生のその横顔を目に映していた。
三浦先生…今、その目に何を映してるの?
だんだんとオレンジ色の光りが消えてゆく。
さっきまで聞こえてた、部活動の音もいつの間にか、しんとして。
「…夏には、…海には、…嫌な思い出しかないんですか?」
高木先生の言葉を思い出し、そう聞いていた。
三浦先生:「…ああ。…君には…、関係のないことだ。」
グサッ
出た!三浦先生の冷たい言葉。
三浦先生は、フウッと息をはくと私を見て口を開く。
三浦先生:「…さぁ、これからすぐに暗くなる。今日はもう帰りなさい。」
「…。…はい…。」
…三浦先生って何か…壁がある。聞きたくて知ろうとしても、冷たくあしらわれて終了。
『関係ない』って何回言われたかな?
…踏み込めない…。冷たい言葉が来るときっていつも、三浦先生自身のことを聞いてるときが多い。
私は、半分だけ残ったコーヒーを捨てて、コップを洗って元あった所に返した。