13回目の好き
4人組
吉崎奈緒Side
高校3年生の時、1度だけ来てそこで食べたこのピラフが凄く美味しくて…。
メニューに書かれた文字を見ながら私はふと、懐かしい記憶が舞い戻る。
花:「奈緒っ!ひっさしぶりぃ〜!!」
高校3年間いつも一緒にいた友達3人の内の山岡(旧)花、今は井口 花が、もうすぐ2歳になる子供と一緒に、私の元へやって来た。
「花!久しぶり!髪、切ったんだね!はっちゃんも大きくなったね!」
はっちゃん:「うん!なおちゃん、わたし、あのね、タケのピラフが食べたいの!」
そう言って私の隣の椅子に、ちょこんと座る、井口葉月(イグチハヅキ)。
きっと花に結ってもらった二つくくりを嬉しそうに両手で触っていた。
少し暗い店内は、バーのようにカウンター席もあって凄くオシャレ。
私達が座る位置は、テーブル席で、あと2人来る予定。
はっちゃん:「あ!タケっ!」
はっちゃんは、後ろを振り返りながら、カウンターの奥から、こちらにやって来る、タケさんに向かって声をあげた。
タケさんは、恭先生の大学時代からの友達で、実はこの店はタケさんのお店でもある。