13回目の好き
夏休み
杉野 巫Side
「三浦先生〜!」
カチャッとドアを開けて、化学準備室へ入る。
三浦先生:「また来たのか?」
そう言って、パソコンを見る三浦先生の横顔がフッと笑った。
「コーヒー飲みに来たんです〜。ついでに勉強も…。」
そう言って私は、三浦先生のデスクの近くにあるいつもの椅子に座る。
真正面に見える窓から、青空がキラキラ輝く。
目の前にコトッとおかれたコーヒー。
「ありがとうございます。…暑いのに熱い飲み物って何だか…。」
三浦先生:「君が飲むって行ったんでしょう。」
うっと言葉に詰まる私を、また三浦先生がフッと笑う。
「はぁあ〜。三浦先生、もう夏休み入っちゃいましたよ?」
三浦先生:「そうですね。」
「本当はご褒美に海に連れてってもらおうと思ってたのに。」
三浦先生:「65点でご褒美をもらおうと?」
「…。」
机に、顎を置いてふて腐れる私を、また笑って、カタカタとキーボードを打つ三浦先生。
最近は三浦先生といっぱい話せるようになって、少しずつ三浦先生を知っていって…
何だろう…
何か…
先生の隣が…凄く落ち着くんだ…