13回目の好き



はぁ…。何だか浮かない気持ちで、トボトボと歩いていると


本石君:「おう、杉野!」

そう言ってグラウンドの方から、部活終わりの本石君がやってきた。


「…。」


あまりに清々しそうにやってくるもんだから、ちょっとムッとして見る私に、笑いながら本石君は話し出す。



本石君:「お前もすげぇな!今日も三浦先生に会いに行ってたんだろ?」

ニカッと笑う本石君にさらにムッとする。


「何?からかいに来たの!?」


本石君:「や、悪い…そうじゃなくて。…ん〜、そうだな、まぁ…。俺は応援してんだからな?」


「仕方ないじゃん…。私には、叶わない恋だもん。届かないよ、先生には好きな人がいるもん。」


本石君:「分かる!それ分かるぜ!俺の場合、結婚しちゃうんだぜ?」


「うん…。」


そう何故か本石君と私は、グラウンドへ続く階段に座って話し合った。


「でも、好きな人の幸せそうな姿を見たら、諦めれそうだね。」


本石君:「…まぁな。吉崎先生とももう会うこともないし。告白して振られたし。…このまま時間さえ過ぎてくれれば、諦めれる。」


「…私は、今はダメだぁ。会いたくて仕方ないの。」





< 134 / 266 >

この作品をシェア

pagetop