13回目の好き
吉崎奈緒
吉崎 奈緒 Side
気付けば
大学生になって4年目の春を迎えていた。
卒業論文、それぞれの授業のレポート、テスト、単位、バイト、就職…
色々悩まされる毎日。
だけど…それも今年で
終わり…
やっぱり時間は待ってくれないわけで…
教育実習の日程が決まった。
中沢さん:「奈緒ちゃん!久しぶり!」
「え、あ!中沢さん!久しぶりですね!」
中沢さんはお父さんの同級生で今は大学教授!
少し老けたかな?茶色い髪をまとめてるけど、ちょっと髪薄くなった?(笑)
小さい頃良く、家にお父さんと飲みに帰って来てたっけな。
だけど専攻している学部が違うから、中沢さんの授業が取れなくて、同じ大学内にいても会うことはほとんどない。
だから凄く久しぶり!
中沢さん:「それにしても、5月から教育実習なんだってね?」
「はい…。」
中沢さん:「ん?どうしたんだい?あまり元気がないようじゃないか。」
ニコニコ微笑む中沢さんが私の表情を伺う。
慌ててにっと笑ってごまかす私に合わせて笑う中沢さん。