13回目の好き
杉野巫 Side
「はぁあ!明日から学校かぁ!」
仕事をする三浦先生のデスクに顎を乗せて深いため息をつく。
三浦先生:「宿題は出来たんですか?」
「出来ましたよ。化学だけ!」
三浦先生:「…。それは出来たと言いません。」
ちぇっとふて腐れると、三浦先生は話し出す。
三浦先生:「将来は何も考えていないんですか?」
将来…
「考えてません。…多分…就職して…、」
………。
就職して…
終わり。
何か私って、夢がない。
はぁっとため息をつく。
「夢かぁ…。素敵なお嫁さん?」
にっと笑って見せると、三浦先生はフッと笑った。
でも私って、夢もないし、勉強もしないし…何か…情けないな…。
何か夢中になれるものがあれば…いいのに…。
あ、三浦先生に夢中だ!
って…駄目じゃん私…。
「情けないですよね〜…。」
三浦先生:「別に良いんじゃないですか?見付けてからでも遅くはないでしょう。」
そう言ってカタカタとキーボードを打つ三浦先生を見て
ふと思ってしまう。
夏休みも終わりか…