13回目の好き
放課後
三浦一樹 先生 Side
夏休みが終わってから1週間が絶った。
あの日以来、杉野は放課後ピタリと姿を見せなくなった。
唯一、化学の授業で見るが、少し以前のような元気さがない…。
何か、あったんだろうか?
チラリと目に映す、杉野のいつものパイプ椅子に、あの笑顔が頭から離れない。
こんなにも当たり前に思っていたなんて。
いつも来るから
いつもそこに座って笑うから
それで、苦くて嫌いなくせに
俺の真似をして
コーヒーを飲もうとする
思わずフッと笑ってしまう。
こんなにも、この部屋は静かだったか…
ガチャッとドアが開き、それだけで、杉野か?と思ってしまう俺は、かなり重傷だと思う。
新山:「三浦先生〜。」
野中:「遊びに来たよぉ〜!」
羽鳥:「何してんの?」
最近、良くここに来る3人組だ。
「君等こそ、何しに来たんです?」
杉野じゃなかったことにムッとしてしまう…。
野中:「やーん、三浦先生冷たーいっ!」
新山:「化学、教えて下さーい!」
羽鳥:「杉野さんには教えてたんでしょ?」