13回目の好き



お昼休み、ヤヨッチャンとお弁当を食べていると、高木先生が教室に入ってきた。


高木先生:「杉野。」


いつもと変わらず、ニッと笑って私をそう呼ぶと、私達の元へやってくる。


「…?」


高木先生:「今日の放課後、このプリント、三浦先生に渡しといてくれ!」


「ちょ!ちょっと待ってください!私そんなの無理です!!!」


思わずガタッと立ち上がり大声を上げ、慌ててもう一度座る。


だって、化学準備室に行ってるとこ、新山さん達に見られたら…


高木先生:「じゃあよろしくな!」


「え!?」


ニッと笑ってプリントを私の机に置くとスタスタと教室を出て行った。

「ちょっとー…!!」



どうしよう…



チラッとヤヨッチャンを見ると、困ったように微笑む。



ヤヨッチャンに頼もうかな?



ヤヨッチャンなら三浦先生が好きだなんて疑われることもないだろうし…。



でも、もし…これがきっかけでヤヨッチャンが疑われたら?


また、噂が経つのかな?



ヤヨッチャンも三浦先生が好きだって…。



私は、…そんなのやだ。




馬鹿だ私…。


何考えてんだろ…。




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