13回目の好き






放課後―…。






久しぶりって感じてしまう。


あれだけ毎日来てたから。




何度も何度も先生を見に来てたっけ。





笑顔、笑顔。…いつものように。




ガチャっ



「三浦先生〜!」



フワッと、少し開いた窓から涼しい風が、頬を撫でる。


いつもと変わらない、その窓のそばでパソコンを見ていた三浦先生が私に気付く。


三浦先生:「…杉野。」


目が合う。ドキンッと音を立ててしまう胸を、右手で思わず押さえてしまう。


たった1週間ほど来てなかっただけなのにどうしてこんなに、久しぶりなんだろう?


ま、三浦先生にとっちゃ、また来たのか…ってところかな?(笑)




だって、その1週間を長く感じていたのは私だけだと思うし…。



赤くなってしまう顔を隠すように、前髪を直す振りをして三浦先生に近寄る。


「プリント、渡しに来ました!…高木先生に、頼まれて…。」



三浦先生のデスクの横に、いつも座ってたパイプ椅子が目に映る。

良かった。しまわれてない…。



三浦先生:「そうですか。…久しぶりですね。」





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