13回目の好き
フワッと窓からまた涼しい風が、そう言った三浦先生の髪を、優しく揺らす。
ドクンっ―…。
「え、あ、はい…。ひ、さしぶりですね…。」
何か不意をつかれたような気分で上手く喋れない。
「で、では、私、ちょっと用があって…。また…来れたら、来ますね…。…。」
そう言って、少し言葉に詰まる。
もしかしたら、今日で最後かもしれない―…。
そんな風に思ってしまったの。
また、高木先生にプリントを頼まれない限り…
新山さん達がいなくならない限り―…
私はきっと、もうここへ来ようって思えないかもしれない…―。
そんな風に思うと何だか涙が出そうになる。
来たいよ、何度でも。
だって三浦先生に会える時間は、限られてるから…。
何度でも会いたいんだよ、先生。
「…さ、さよならっ!」
そう思い切って言って、先生に背を向けて歩き出そうとした時、
腕を捕まれ、動けず、
一瞬、何がなんだか分からず、
そっと振り返ると、
三浦先生が私の腕を掴んでいた。
「み、…三浦先生?」