13回目の好き





慣れない手つきで、ガチャガチャと道具をいじり、シップを私の左頬に貼る。


ヒンヤリ冷たくて気持ちい感覚が左頬に広がり、思わずキュッと一瞬目を閉じてしまう。


また目を開けると、三浦先生の顔が目の前に。

カァアっとどうしても押さえられない胸がドキドキ音を立てる。



三浦先生:「…右も叩かれたのか?」


え!?


慌てて首を横に振る私。



顔赤くなってるのばれるっ!


そう思えば思うほど、ドキドキして、どんどん赤くなってしまう。



「み、みみ三浦先生、ち、近いです…。」



合わせられない視線、私は下を向いて必死の抵抗。



三浦先生:「あ、ああ、…すまない。」


緊張してしまうこの空間を破るように私は話し出す。


「三浦先生にまで、…噂、知られてたなんて…。」


少し薄暗くなった保健室の窓の外を見て三浦先生は話し出す。



三浦先生:「…高木先生に聞きました。…新山達と川中との関係も、教えてくれたのは牧野だった。」




ヤヨッチャンが―…?



「…三浦先生、……い、"嫌がってない"って本当ですか?」


ホッとしたのは三浦先生のその言葉…。




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