13回目の好き


聞きたかったその言葉が本当かどうか…。


三浦先生:「…。言わなきゃ…分からないか?」


チラッと、さっきまで背を向けていた三浦先生が私を見る。



ガタッ

「い、いえ!!じゅ、十分です!」

思わず座っていた椅子から立ち上がり、また頬が熱くなる。


慌てて三浦先生から目を逸らす。

きっと、慣れない場所にいるせいだ。……変に意識しちゃう…。

だめだめ。

私のこの想いは届かない。

期待しちゃう自分に言い聞かせる。だめだめ!

三浦先生は吉崎先生が好きなんだから…

期待なんて、もっとって欲が出ちゃう。



しつこくしなかったら、…迷惑じゃなかったら…

こっそり想うだけで私は十分なんだから。

こうして、話せるだけで…。私は十分!


「で、では、…外も暗くなっちゃったし、帰りますね。…あ、あの…ありがとうございました。…。」


そう言ってペコッと礼をして、帰ろうと保健室のドアを開けようと、ドアのぶに手を掛けた時、


タンッ―…


その音に気付き、見上げるとドアを押さえる三浦先生の手が目に映る。


私が固まって動けずにいるのは、すぐ後ろに三浦先生がいるから―…。



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