13回目の好き





杉野:「高木先生の言葉って凄く心に響きますよね!」



そう、思い出すように微笑みながら話し出す杉野に頷きながら、コップにコーヒーを注ぐ。


杉野:「あ、ありがとうございます!」


そう言ってクリープ2個、砂糖2個を順に入れて掻き混ぜながら杉野はまた話し出す。


杉野:「新山さん達に、何言ったのか分からないけど、きっと新山さん達の中で、何かが変わったみたい。」


「…そうなんですか。…川中は?」


杉野:「高木先生によると、川中さんは新山さん達と2年生まで本当に友達だったんだって。」



「ふーん。…では何故、イジメられるように…?」


杉野:「たった一人の父親の元で育った羽鳥さんは、2年生の冬にお父さんが倒れて、家計が貧しくなったの。…それで、お金持ちの川中さんと羽鳥さんとの間に亀裂が生まれたらしいんです。」


杉野は、うーん、と考えながらコクッと一口コーヒーを飲む。


少し苦そうに、眉間にシワを寄せてまた口を開く。



杉野:「だけど、高木先生がガツンと言ったんだって。それで羽鳥さん達は、考えが変わったらしいです。…まさに高木先生マジックです!」










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