13回目の好き
フッと笑ってしまう俺につられて杉野の一緒に笑う。
「高木先生マジックか。(笑)」
杉野:「はい!…カッコイイですね!高木先生って(笑)」
…。
「杉野も高木先生マジックにかかってしまったのか?」
何だか、高木先生に取られてしまいそうな感覚が、俺の心に不安というものを生み出す。
そんな、少し落ち込む俺に気付いてないだろう杉野は、ケラケラと笑い出した。
杉野:「あははは(笑)三浦先生って本当に面白いですね!…高木先生って何だかお父さんみたいで。(笑)」
その言葉に思わず笑ってしまう。
杉野:「ん〜、それに、吉崎先生は何だかお母さんみたいです。メールとか、毎日してて面白いです。色々話しも聞いてくれて…」
ハッと何かに気付いたように杉野は「すいません」と謝った。
バツが悪そうに下を向く杉野に、ハテナを浮かべる俺。
「どうして、謝る?…。」
杉野:「だって、…あ、いえ、何でもないです。…あ、化学、やっと今の所まで追いついてきたんですよ!…今日の化学の授業でちょっと分かっちゃった!」
そう話を変えて微笑む杉野。