13回目の好き
次の日。
杉野のクラスの5限目の化学の授業。
チラッと腕時計に目をやり、慌てて教科書を閉じる。
しまった、長く話過ぎた。
キーンコーンカーンコーン―…
授業終了のチャイムが校内に鳴り響く。
キリの良い所で話を区切り、
「では、少し長くなったが、今日はここまでにする。板書しっかりノートに写しといてくれ。」
そう言って、チョークを黒板に戻す。
時々、化学の内容で深いところに入ると、つい長く説明してしまう。
チラッと杉野を見ると、必死に板書をノートに写すその姿に、思わず笑ってしまう。
ガラッ―…
本石:「杉野ーーっ!!」
教室を出ようとすると調度ドアが開き、大声で杉野を呼ぶ、野球部キャプテン、2組の本石が俺の横を通り過ぎて、杉野の元へ行く。
杉野と何か関わりあったか?
チラッと杉野の方を見ると、ガバッと本石が杉野に抱き着く。
杉野:「ぐぇッ!ちょ、ちょっと本石君どうしたの?」
そんな光景に教室内がざわつく。
俺の心もザワザワと動き出す。