13回目の好き
三浦先生の椅子の後ろの棚と、化学室へ繋がるドアの周りの棚には、化学の実験で使う道具などが保管されている。
3列に並ぶ棚には、1年生から3年生までの、実験記録や、新しい記録用紙など、プリントが沢山しまわれている。
三浦先生:「…。」
ガサガサと、棚の奥から大きな段ボールを抱えて三浦先生が出てくる。
三浦先生:「杉野、この中のプリントの種類が色々混ざってるんだが、それを種類別にまとめてほしいんだが、頼めるか?」
「あ、はい!任せて下さい!」
ポンと胸を叩く私に、微笑む三浦先生の表情。
何だか心配だったけど少し和らいだみたい。
良かった。
しばらくプリントを整理していると、棚の奥の方から三浦先生が話し出す。
三浦先生:「…本石は…わざわざ杉野に何しに来たんですか?」
本石君?ふと、思い出すように考える。
あ、ええとさっきの5限終わりのことを言ってるのかな?
「ああ、"聞いてくれ"って叫んでたヤツですか?」
フッと思わず笑いながら、三浦先生に聞くと、「ええ。」と返事が返ってくる。