13回目の好き
「本石君、好きな人と上手くいったみたいで、それをわざわざ伝えに来たんですよ(笑)」
三浦先生:「…?何故杉野にそんなことを?」
あ、少し、遡らなきゃなぁ。
プリントを振り分けながら、初めて本石君と話したことを思い出す。
言っちゃってもいっか!
「本石君って、吉崎先生が好きだったんですよ!(笑)」
三浦先生:「は!?」
案の定驚く三浦先生の声。
「それで、高木先生のプロポーズ大作戦を失敗させたあげく、振られちゃって。…でも、高木先生の作戦は失敗だったけど、ちゃんと吉崎先生にプロポーズ出来てね。」
思わずふふっと笑ってしまう。
ドサッとプリントを振り分けながら話す私の横にもう一つの段ボールを置く三浦先生。
三浦先生:「この段ボールが最後です。…それで?」
そう、優しく微笑みながら私が話すのを待っている三浦先生。
「それで…私は、本石君と高木先生の話聞いちゃって。あ!でもその時は、高木先生のプロポーズ大作戦とか全然、知らなかったんだけど、…本石君の好きな人を知ってしまった事には変わりなかったんですよ。」