13回目の好き





最後の授業が終わり、私はいつものように三浦先生のいる化学準備室へ行く。




今日が終わったら、次学校へ来るのは卒業式。




だから、化学準備室へ行くのも…最後かな…?





ガチャッ



「三浦先生〜!」



そう言って、見慣れた化学準備室の風景にどこか寂しさを感じてしまう。



三浦先生:「ちゃんと勉強してきましたか?」


そう微笑みながら私を見る三浦先生にドキッとしながら答える。


「もちろんです!」



三浦先生が今日、テストするって言ってたから、ちゃんと勉強してきました!



私専用のパイプ椅子に座り、三浦先生からテストを受け取る。



私のためだけに作られた…テスト。



頑張らなきゃ…。



三浦先生:「緊張しなくてもいいですよ。君ひとりだから楽に受けて下さい。」



そう言って、三浦先生は私の元にコーヒーを置く。


私のあげたクリスマスプレゼントのお返しに貰った、マグカップに入れて。


そしていつものように、砂糖とクリープを2個ずつ添える。



そんな何気ない三浦先生の優しさにまた胸がキュウッと締め付けられる。









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