13回目の好き
放課後…
「ヤヨッチャン、今日から私図書室に引きこもるから!先に帰っててね!」
ヤヨッチャン:「え!?どうしたの、みっこ?」
鞄を持って、帰る準備万端のヤヨッチャンが驚いた顔で私を見る。
「私、今日から勉強する!!」
胸を張って言い放つ私に、ポカンと口を空けるヤヨッチャン。
コホンと咳ばらいをしてヤヨッチャンは口を動かした。
ヤヨッチャン:「あの勉強嫌いのみっこが、どういう風の吹き回しか分からないけど…。わかった!とりあえず…頑張ってね!私も、暇だったらまた付き合うよ!これからバイトだし、…じゃあ、また明日ね!」
そう言ってヤヨッチャンは手を振って教室を出た。
私も教室を出てそのまま図書室に向かった。
図書室のドアをカラカラと静かに開けると
ほんのりオレンジ色の光りが窓から差し込み、数人の利用者がポツンポツンと
静かに読書をしていたり、何かを書いていたり…。
あ、あった。
棚で光りが遮られた奥の方の棚から化学の本を手にとる。