13回目の好き
杉野 巫Side
「ヤヨッチャン!聞いてっ!」
朝、教室に着いて、もう来ていたヤヨッチャンに駆け寄る。
ヤヨッチャン:「どうしたの?何かあったの?」
「嬉しい話とモヤモヤする話があるの!」
昨日のことを思い出す。
三浦先生に勉強教えてもらえることになったのは凄く、凄く、嬉しい。
けど、何だかモヤモヤの方が大きくて。
ヤヨッチャン:「ん〜じゃあ、そのモヤモヤから聞こう!」
ニコッとそう微笑むヤヨッチャンに感謝する。
「…ありがと、ヤヨッチャン。」
そして、昨日の"吉崎"って女の人を思い出す。
「…昨日ね、図書室の帰りに三浦先生と会って話してたら…、知らない女の人が来て…。多分、ここの卒業生なのかな?」
ヤヨッチャン:「うん…。」
その時の三浦先生を思い出す
いつもの…先生じゃなくて…。
もしかしたら、…
「もしかしたら…その人が三浦先生の…好きな人なんじゃないかなって…―」
ヤヨッチャン:「え!?」
キーンコーンカーンコーン―…
ガラッ
驚くヤヨッチャンとほぼ同時に鳴るチャイムと、担任の高木先生が教室に入って来た。