13回目の好き
三浦先生:「杉野っ!!」
玄関まで来て後ろから追い掛けてきた三浦先生の声がやっと耳に届き、一瞬足を止めてしまった。
その一瞬を逃さないかのように
グイッと腕を引っ張られて、フラッと三浦先生の体に寄りかかってしまった。
息の荒い三浦先生の体温が触れたとこから伝わってくる。
「す、すいません。」
振り絞って出した私の小さな声。
きっと聞こえてないかも。
…声が出ないよ。
私の涙が、三浦先生の服に染みる。
三浦先生:「はぁ、捕まえた!」
息を整えてたのか、やっと三浦先生の一言。
何度も何度も「すいません」と声に出そうとするけれど、言葉にならなくて…
ただ、出てくるのは、
答えの分からない涙。
スッと両肩に三浦先生の両手が触れ、三浦先生は私の目線へと腰を落とした。
思わずドキッとして視線を外し何とも言えない私は目をウロウロさせる。
三浦先生:「…どうした?」
敬語じゃない三浦先生の口調は、先生との距離を近く感じてしまう。