13回目の好き





高木恭Side





今日も1日が始まった。



どうも、奈緒が先生としてこの学校にいることが不思議で、初めは少し嬉しかったりもした。



1限、1年の授業の途中、黒板に立って一生懸命に授業を行う奈緒を教室の後ろに立って、ジッと見ていた。


まだ緊張、してんのか、頬を赤らめながら必死で話している奈緒。


でも、…奈緒が教師として実習に来たことまでは嬉しかったのに…


竹田:「はいはい!奈緒ちゃんっ!しっつもーん!」


カチンッと"奈緒ちゃん"と呼ぶ竹田を後ろから睨みつける。


奈緒:「はい、?竹田君!」


竹田:「こっち、こっち来て!ここ、何でこうなんのかなぁ〜って。」

奈緒:「え〜っと、」

授業の途中に呼ばれて、困り出す奈緒に


「俺が行きます、吉崎先生、授業を続けて下さい。」


そう言って、竹田の所へ行く。


奈緒:「は、はい、すいません!え〜っと、それで、ここで因数分解を利用して…」


慌て返事を返した奈緒は授業を再開した。

それを残念そうに竹田が文句を言う。

竹田:「ええ〜!高木先生〜…。」



「何だよ?!俺じゃ嫌なのか?ん?」


竹田:「…。」




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