13回目の好き




「…授業の途中に質問は吉崎先生も困るだろう、…ほら、どこだ?」


少し言い訳のように言いながら竹田に聞く。


竹田:「え〜、ここ…。」


渋々、答える竹田に、教えると竹田は俺をジッと見て口を開いた。

竹田:「高木先生、吉崎先生とどういう関係?」


またこの質問、…奈緒が実習にきてからいったい何回目だろう。


「…。教え子だ!ほら授業聞けよ。」


そう言って、また教室の後ろへ行く。



そう…奈緒が実習に来てから、俺はイライラしてばかりだ。


何て情けない。


たかが男子生徒。


けれど、竹田のように、奈緒を呼び付ける男子生徒は山ほどいて、日に日に、距離を縮めていく男子どもに、どうも感情がおさまらない。



はぁ〜。



そして演習時間、半ば質問タイムのようなもので、


中村:「吉崎先生〜!」


また、男子生徒に呼ばれる奈緒。この時間は邪魔出来ない。


まぁ奈緒本人は、生徒とのコミュニケーションとかで案外楽しそうにしてるが…


俺も、問題に困ってる生徒を見付けては教える。



…奈緒が教師になったら、不安だな。色々な意味で。







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