13回目の好き
杉野巫Side
気付けば放課後…
結局、吉崎先生に謝るタイミングを逃し続けた結果、私は深いため息を漏らした。
あれ、ヤヨッチャンの姿がない。さっきまでいたのに、鞄があるってことは学校にいるはずだし…。
トイレかな?
それより…吉崎先生を探しに行こう。
教室を出て、とりあえず職員室へ向かおうと歩き始めた。
すると、遠くの廊下の先で、吉崎先生が階段を上って行くのが見えた。
あ!いたっ!…あれ?階段上ったらもう屋上しかないのに。
普段は閉まってる屋上。
だから行ってもどうせ閉まってる…はずなんだけど…?
不思議に思いながら、階段の下に着き、私も上り出す。
屋上のドアの前に着く。
あれ?吉崎先生いない。
え、屋上開いてるの?
そんなはず―…
屋上のドアノブに手を掛けひねってみると
カチャ、
と音を立て、少し押して見ると開いた。
え、!?何で開いてるの?
少し開けたドアの隙間から涼しい風と一緒に、吉崎先生の声が聞こえて、思わず固まってしまう。
吉崎先生と―…誰かいるの?