13回目の好き
心の変化
三浦一樹先生 Side
吉崎が実習に来てもう一週間が経つのか…
放課後の化学準備室で一息つきながらふとそんなことを思った。
コンコン、と準備室のドアをノックする音に気付き「どうぞ。」と返事をする。
きっと、杉野だろう…。
ガチャッ
今野:「失礼しまーす!」
あまりの見慣れない顔が突然に現れ誰だか解らず戸惑う。
そんな俺を見て茶髪の女が言う。
今野:「え!?もしかして三浦先生、私のこと忘れちゃったの??今野真梨奈です!お忘れですか?」
口を開けて困った顔を見せながら自分の顔に人差し指を向けて、説明する。
今野…。
ここの卒業生であることは雰囲気からして分かるが…イマイチピンとこない…。
「ん〜…。思い出せないな…。」
困った俺はすまないと思いながら正直に話した。
今野:「まぁ…無理ないか。三浦先生と私、そんなに関わりありませんでしたから。」
そう苦笑して笑う今野の「関わりがなかった」という言葉に疑問を抱く。
「…?、…では、何故ここに…?」