13回目の好き




「…。」


言葉に詰まる俺を見て少し楽しそうに見えてしまう今野の表情に、高木先生の言っていた、『恐ろしい』の意味がようやく分かった気がした。



今野:「実際、今のところどうなんですか…?」


「どう、…というのは?」


今野:「3年経った今でも、奈緒のこと、好きですか?」


直球に質問され戸惑う。


しかし、そう真っ直ぐ質問され逆に考えさせられる…。


けれどその質問の答えが全く出てこない。



「…分からないな…。」



ついそのまま答えてしまう。



今野:「そうですか。やっぱり奈緒のこと好きだったんですね。今確信が持てました!」


…。


しまった…!俺は何故素直に答えてるんだ…。



「君は、本当に怖い人ですね…。」



今野:「よく言われる(笑)私が三浦先生に言いたいことは、考えといてほしいんです。」



「…どういうことですか?」



今野:「忘れきれていないのは、ちゃんと奈緒に好きだって伝えていないままだからでしょ?」





「…っ!…。」


核心を突かれて言葉に詰まる。







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