13回目の好き
放課後…
化学の教科書とノートを持って化学準備室へ向かう。
ドキドキと心臓が音を立てるから、よけいに緊張しちゃう…
『三浦先生ってぇ、恋人いないの〜?』
化学準備室の前に着いたとき、中からそんな女子生徒の声に、ドアをノック仕掛けた手を思わず止めてしまう。
『その質問は今、関係ないでしょう…。』
あ、先生の声は分かる…。ちょっと困ってる…?
『え〜!いそうだよね?三浦先生カッコイイもん!』
『うんうん!てかいるでしょ!?ここの学校の先生とか?』
…三浦先生と女子生徒数人の声…
『それを聞いて何になるんです?』
『えー!私、三浦先生が好きなんだもんー!ね、携帯教えてよ!お願い!』
『三浦先生、私も!!』
『私もー!』
胸がザワザワする…
私だって教えてもらいたいよ…
じゃなくて…
何て言うか…こうして客観的に見ると私って…中の女子生徒とホントに変わんないな…
三浦先生:『教師が君等生徒にそれ以上の意味などない。とにかく勉強しないなら帰りなさい。』
ズキンと胸が鳴る。
分かってる
分かってるよ
でも吉崎先生は特別だったの?
何で?