13回目の好き
高木先生:「…後悔も数え切れないほどしました。悔やんでも、悔やんでも、悔やみ切れなくて。ははっ!まぁ、誰にでもありますよね。」
少しの間高木先生は遠くを見つめ、またいつもの笑顔で話し出す。
高木先生:「ん〜しかし、行けなくて残念だ!!」
プハァッと酒を呑み干して、トンッとグラスを机に置く。
店員に"梅酒"を頼み高木先生はにっと笑ってこっちを向く。
高木先生:「梅酒、最近奈緒がはまっててな!(笑)」
そう嬉しそうにする高木先生から吉崎を凄く好いていることが、全面に表現されている。
「…俺、吉崎が好きでした。」
ポロっと本音をこぼしてしまい、しまったと慌てて言葉を探そうと高木先生を見る。
高木先生:「……………。…気付いて、いました…。…何度も三浦先生や男子生徒に嫉妬してしまいました。……実は俺、あの歳にして生まれて初めて恋したんです…。」
「え!?」
俺の気持ちに気付いていたことは薄々分かっていた。
それよりも最後の言葉に、驚きを隠せずにいる。
高木先生:「情けないっすね!(笑)恋愛に関しては、ガキなんです。アイツの前で余裕ぶるのが精一杯。」