My sweet home
~ 悠斗's side ~
俺が翔からの手紙を受け取ったのは、遙が引越しをする日で……。


「よっ。 何かすることある?」

「あ~~~!
 表札をね、今、私の名前入れてるんだけど、
 それを空白にしておかなきゃいけないんだけど、まだ出来てないの。
 お願いしてもいいかな?
 管理人さんに言ったら、新しい表札用の紙くれるはずなんだけど」

「OK~!
 あ~、鍵、俺が預かっとくわ。
 事務所にでも渡しとくからっ!」

「うん。
 じゃぁ、後でお願いする~」

「おぅ!」


遙に頼まれて、ポストの表札を換えに行った時

「あの~。
 相沢さんですか? 郵便です」

郵便配達のオジさんに声を掛けられ

「あ、ハイ!」

受け取ったのが、翔からの手紙で。


「・・・翔?
 連絡取り合ってた・・・?」

俺は思わず、上着の内ポケットへと手紙を隠した。



そして夜、自宅に帰って封を解き、 便箋いっぱいに綴られた翔の手紙を、俺は読んだ。

翔にあった事と、

翔の出した結論と、

翔の遙への想いが綴られた手紙を

俺は

遙に伝えたいけど、、、

伝えてしまったら関係が壊れる気がして、

そっと家の棚へと隠した……。
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