イジワル王太子と政略結婚!?
湧き水を見つけて、冷たく澄んだ水で喉の渇きを潤す。
よしっ!
ここで気持ちを切り替えて、シーナとちゃんと話をするんだ。
一人気合いを入れて、また来た道を戻ろうとした。
すると──
「……?」
どこからか、すごくいい香りが風に乗って漂ってくる。
花の匂いかな…なんかリラックスできる感じ。
周りを見回すと、雑草の中に一本だけ瑠璃色の綺麗な花が咲いている。
「あの花かな?」
昨日は気付かなかったな…こんな匂いしなかったし。
私はその花に近付いてみた。