イジワル王太子と政略結婚!?
『…じゃあもう何も心配いらないわね』


私の話を聞いて、お母様は安心したように笑った。



『二人ならきっとうまくいくと思ってたわ』

「お母様……」


手を伸ばすけど、お母様に触れることはできない。



『私もリリィも、いるべき場所に帰らないとね…』


いるべき場所…

でもどうやって…?



『これだけは覚えておいて。
私はいつも傍にいるから。困難の時には光となってあなた達を助けるわ』


お母様は私の頬に手をあててそう言った。

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