イジワル王太子と政略結婚!?
『リリィ!』
お城に着くと、お父様が待ってくれていた。
『ドレスの試着してきたかい?よかったか?』
「あ、えぇ!とっても…」
『そうだろうな、シーナが見立ててくれたんだから』
にっこり笑いながらも、チラッとシーナに目をやる。
『もちろんですよ。リリィの魅力は僕もよくわかってるつもりですから』
シーナは私の肩を抱き寄せて、満面の笑みで答えた。
…なーにが“魅力をわかってる”よ!
さっきはあんなこと言ってたくせに!
『はははっ!相変わらず仲が良いな』
「あ…ハハッ」
お父様が嬉しそうに笑うから、私も引きつった笑顔を浮かべた。