イジワル王太子と政略結婚!?


『リリィ!』


お城に着くと、お父様が待ってくれていた。



『ドレスの試着してきたかい?よかったか?』

「あ、えぇ!とっても…」

『そうだろうな、シーナが見立ててくれたんだから』


にっこり笑いながらも、チラッとシーナに目をやる。



『もちろんですよ。リリィの魅力は僕もよくわかってるつもりですから』


シーナは私の肩を抱き寄せて、満面の笑みで答えた。



…なーにが“魅力をわかってる”よ!

さっきはあんなこと言ってたくせに!



『はははっ!相変わらず仲が良いな』

「あ…ハハッ」


お父様が嬉しそうに笑うから、私も引きつった笑顔を浮かべた。


< 15 / 241 >

この作品をシェア

pagetop