イジワル王太子と政略結婚!?
俺は小屋に入る前に、一度だけ軽く深呼吸をしてドアに手を掛けた。


「…リリィ」


開けると同時に呼んだが返事はない。



「リリィ…?いないのか?」


部屋を見回すが誰もいない。


…どこへ行ったんだ?


急に胸騒ぎがし始める。



『シーナ!』


すると散策していたはずのウィンクルが、何かを手に持ってやってきた。


『これが落ちてたんだけど…これってリリィのじゃない?』

「──!」


それはリリィがつけていた髪飾りだった。


…何か嫌な予感がする。


< 156 / 241 >

この作品をシェア

pagetop