イジワル王太子と政略結婚!?
今行かなかったら、私はきっと後悔する。


もうシーナから離れたくはない。



「…私も行くわ」


ウィンクルは力強く頷く。

“きっと大丈夫”と言い聞かせるように。



『あっ、ちょっと待って!リリィに渡す物が…』


そう言うと、ウィンクルは両手で何かを持ち上げて私に差し出す。



「これ…私の髪飾り?」

『昨日道に落ちてるのを見つけたの!よかった、忘れなくて』

「ありがと…」



よく考えれば、もしかしたらウィンクルとはもう会えないかもしれないんだよね…。

私たちの試みがうまくいっても、いかなくても……


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