イジワル王太子と政略結婚!?

死の闇の中へ



私はシーナの後を追って洞窟へ向かった。

まだ本調子ではない体が重くて、何度も立ち止まりながら走る。



早くしないと…もう入っちゃうかもしれない。


気持ちばかりが焦って、足がついていかない。



「……あ!」


洞窟の辺りまで来ると、シーナの後ろ姿が目に入った。

今にも入りそうなくらい、入り口の近くにいる。



「シーナ…っ!!」


ありったけの声で叫ぶと、シーナが立ち止まって振り返った。


「きゃ…っ」


一歩踏み出そうとすると、足がもつれてその場に倒れてしまった。

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