イジワル王太子と政略結婚!?
「お母様はきっと幸せだったね。お父様のお嫁さんだもん」

『そうだといいんだがな』


お父様は切なそうに、でもとても愛しそうな目で、お母様の写真を見つめていた。



『話が長くなってしまってすまないね。邪魔者は退散するよ』


ははっと笑って、部屋を出ていこうとしたお父様は振り返って


『シーナ、リリィのことよろしく頼むよ。…幸せにしてやってくれ』


と、力を込めて言った。



『…はい、必ず』


シーナも力強く応えて一礼する。


それに安心したような表情を見せて、お父様は部屋を出ていった。


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