イジワル王太子と政略結婚!?
「…あれっ?この曲…」
『どうかしたか?』
にぎやかな声援に交じって奏でられる音楽。
どこかで聞いたことがあると思ったら…
「これ、ウィンクルがよく鼻歌で歌ってた曲よ」
『あぁ…そう言われてみればそうだな』
ウィンクル…
彼女も実在しない妖精だったのかな…?
でも私には今もあの森で歌を口ずさんでいるように思える。
『ウィンクルの兄貴…ちゃんと帰れたかな』
今まで笑顔だったシーナは、心配そうな表情を見せて呟いた。
そういえば、あの魔物を倒した瞬間……