イジワル王太子と政略結婚!?
今まで見たことがないくらいの、柔らかで愛しい笑顔を見せて

シーナは私を抱きしめてくれた。



何も纏わない姿になって、お互いの熱い吐息が絡み合う。



心も身体も一つになって

私は全身でシーナの愛を感じていた。



痛さからか、嬉しさからかわからない涙が自然と溢れ出る。


『いくらでも泣いていいぞ。
…どんなリリィも好きだから』



そっと涙を拭うシーナから、愛の言葉が聞こえてくる。




本当のシーナは、きっと私しか知らない。

だけど、わかってあげられるのは私だけでありたい。


すごく意地悪で、でも実はちゃんと想ってくれていること。



私も、そんな貴方のすべてを


「……愛してる」




< 239 / 241 >

この作品をシェア

pagetop