イジワル王太子と政略結婚!?
また見ちまった…あの夢。
目が覚めた時はまだ夜中で、リリィも寝ているようだった。
毛布…落ちそうだな。
掛け直してやろうと思ってそばにそっと近づくと、彼女の綺麗な寝顔が見える。
無防備だな…キスしてやろうか?
こいつが嫌がるから、結婚するまでは我慢してやるかと思っていたけど、こんなことになるし…
二人きりでいるのに、理性を保ち続けなきゃいけないのが苦痛だ。
毛布を掛け直して、彼女の傍らに座って考える。
こいつはどうして俺と向かい合おうとしないんだろう──