紳士的なLady*Another
キスミーデリツィオーソ
「鈴音、大丈夫?」
「うん……平気……」
現在、夏課外期間。
気温35度の炎天下のなか、私たちは登校している。
「早退する?」
「いや……。まだ、大丈夫だから……」
そして私は、風邪をひいている。
そういえば、昨日の夜から、熱っぽかったんだ。
朝、ちゃんと薬飲んでおけばよかった。
「…頭痛い……。お腹痛い……」
じりじりと焼ける上に、ズキズキと痛む頭。
プラス、生理痛のような痛み。
「授業中、きつかったら保健室連れていくから」
こんな時、誰よりも心配してくれるのは剣だ。
彼氏持ちでここまで余裕があるの、剣ぐらいだよ……。
羨ましさ半分、だるさ半分、ぐったりとしながら、教室に入った。