紳士的なLady*Another
こんな状況じゃなかったら、当然喜んでいただろう。
だけど、こんなシチュエーションだから。
全くと言っていいほど喜んでいない私。
いや、むしろ腹立たしいと思っている。
今私の右肩を抱いているのは、紛れもなく、剣夜さん。
だけど、私が知っているのは、こんな腑抜けのような男の人ではない。
沸々と煮えくりかえりそうな、何とも言い難い気持ち。
怒りなのか、呆れなのか、
淋しさなのかーー。
どれにしろ、昔の剣夜さんではないのだ。
私が好きだった、剣夜さんとは。