紳士的なLady*Another
「何があったのかは聞かないけど……。何か辛い事でもあったの?」
教室の机に座る、もう一人の子が、柔らかい口調で訊いてくる。
「あっ、私、早川千波ね。よろしく」
ふんわりと笑う早川さんは、私よりも大人に見えた。
「ううん……。なんだか、気を遣わせちゃったみたいで、ごめんなさい」
無理に口角を上げると、涙腺がまた緩んできた。
「羽賀さん、無理に笑おうとしなくていいんだから」
隣で頭を撫でてくれるのは、満原さん。
何で、この二人は、こんなにも私より大人びているのだろう。
私と、何が違うんだろう。