紳士的なLady*Another



「何があったのかは聞かないけど……。何か辛い事でもあったの?」



教室の机に座る、もう一人の子が、柔らかい口調で訊いてくる。





「あっ、私、早川千波ね。よろしく」



ふんわりと笑う早川さんは、私よりも大人に見えた。





「ううん……。なんだか、気を遣わせちゃったみたいで、ごめんなさい」




無理に口角を上げると、涙腺がまた緩んできた。




「羽賀さん、無理に笑おうとしなくていいんだから」




隣で頭を撫でてくれるのは、満原さん。

何で、この二人は、こんなにも私より大人びているのだろう。






私と、何が違うんだろう。




< 8 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop