執事と秘めゴト
◆
「お帰りなさい、樹里お嬢様」
スラッとした容姿。
その顔は、まるで人形のように綺麗で…
綺麗すぎて怖い。
黒い髪をオールバック。
伏せた長い睫毛は、女の人みたい。
妖艶に孤を描く口元。
"容姿端麗"
この言葉は、彼のためにあるようなものだと思う。
この完璧主義な男は、あたしの執事。
永島 優。
手違いで、やとってしまったヤツなんだけど。
使えるから今でも置いている。
「今日は部屋で読書でもするわ。紅茶をお願い」
「御意」