執事と秘めゴト
にんまりと厭らしい笑みを浮かべる優に、
鞄を渡し部屋に向かう。
いつ言おうかしら?
そんなことを想いながら、本棚から適当に本を取り、ベッドに横になって読み始めたものの
……内容が、頭に入ってこない。
パタンと本を閉じて、枕に顔をうずめる。
はぁ……
もうなんなんだろう。
なんでこんなに気になるんだろう?
トントンッ
心地いい音が部屋に鳴り響く。
優が来たみたいだ。
「どうぞ」
「失礼します」
優は紅茶のいい香りとともに、部屋に入ってきた。
この匂いは……
ダージリンね。