先輩の背中


――――…


――――――…








「ーー―ーる!」










朝から、なんだかうるさい。








ドンドンドンドン、と鈍い重たい足音が近づく。








バサっと肩まで掛けていた布団を下まで剥ぎ取られると、寒さと同時にキンキンな声が耳に届いてくる。










「また、晴は。もうっ
時間過ぎてる!早く起きなさい。
朝から何個目覚ましセットしてるのよっ」








そう怒りながら私の目覚まし達を止めていくのはお母さんだった。










「――…ん…今何時?」









目をこすりながら身体を起こせばお母さんに目の前に時計を差し出される。









「ん…んん?寝坊したー…っ!
もう、なんでお母さん起こしてくれないの!」







ぶつぶつと文句を言いながらベッドから降りれば、丁度いま来たお兄ちゃんが口を挟む。










「あれだけ目覚ましセットしておいて起きれない方がおかしいだろ。」








そういいながら、自分の寝癖を気にして頭を触るお兄ちゃん。








「だって朝苦手なんだもん…」








ひとり、呟けばお母さんに新品の制服を頭へと投げられた。
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