悪魔
少女が顔を近づけてくると、その封筒を慌てて後ろに隠した。
「いや、なんでもない…」
「むー…ラブレターなんか興味ないって言ったくせにぃ…」
「あ…いや…これは…」
「…………。」
「まぁ、いいだろ…
俺は、そろそろ部屋に戻って寝るから。」
そう言って彼はその封筒を後ろに隠したまま立ち上がった。
「その手紙誰からなの?」
「……いいだろ誰でも。」
少女はベッドに座ったまま、彼を見上げるように見た。
「…好きな人から?」
「違う…」
彼がそう言って、部屋から立ち去ろうとした時、少女は後ろから彼の背中に抱きついた。
「待ってよ……!!」
少女の手はすごく震えていた。
声はかすれて、今にも消えてなくなりそうだった。
「……っ……!!!?//」
彼は驚き、今の状況がよく把握できずにいた。