悪魔

「悪いんだけど……これ、洗ってくれない…?」

「…ん…?
あぁ…構わないが。」

「ありがとう…!」

そう言って、少女は、汚れたスカートを彼に渡した。

「…なんか…迷惑かけて、ごめんね…?」

「………。」

「………樺羅さん…?」

黙り込み、ぼーっとしている彼を心配するように、少女は弱々しい声で呼びかける。

「ん?…ぁあ…、すまない。
……悪いが、少しベランダで風にあたってくるから、君はとなりにある空き室で休んでいてくれないか…?」

「…別に構わないけど…風にたるって、今雨降ってるよ…?」

「あぁ…わかっている。」

そう言い残して、彼はドレッサールームを出た。

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