悪魔

廊下をスタスタと速歩きで進んでいき、一番端の方にある、ベランダに出る扉まで行き、雨が降ってるいるにも関わらず、彼は、ベランダに出た。

そして、雨にうたれながら目を閉じた。
心を静めるように、静かに深呼吸をした。

彼の右手には、彼女が履いていたスカートが握りしめられていた。

「何をやっているんだよ…。
何に戸惑っているんだよ…。」

彼は、目を閉じたまま、今にも消えてしまいそうな声で呟いた。

彼は、少女を食べようという気は全く無くなっていた。
こんな事は、生まれて初めてだった。

オレハアノコヲタベモノダトオモッテイナイノカ…?

彼は、降り注ぐ雨のような、激しく揺れ動く感情を必死にコントロールしていた。
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