悪魔
疑心
それから2人は、商店街へ行った。
そして、浴衣や洋服や宿泊するのに必要な物を買った。
どれも高額なものばかりで、少女は彼の横で申し訳なさそうな顔をしていた。
彼は、一人では使えきれない程の財産を持っていた。
それにプラス、顔もスタイルも抜群だ。
ほとんどの女性が抱いている理想の男性にぴったりあてはまるだろう。
だからこそ、彼はとてももて、すごい人気であった。
だが、彼は見向きもしない。
人間に情なんて持てなかったし、あまりにもひつこい女は優しいフリをして、家に呼びこみ、地下室で食らっていた。
─俺はこの少女に対して、情を持っている。
彼は、少女の横顔を見ながら、そう考ていた。